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よっ!仕事人

月井精密株式会社

精密機械部品の加工メーカーの月井精密株式会社さんで、“ものづくり”の現場を見学させていただきました!

2013/03/04

【まいぷれ×法政大学】コラボ企画
◇◇法政大学多摩キャンパスの学生が、地域で活躍する“仕事人”に突撃インタビュー!◇◇
こちらが月井精密さんでーす!工場は意外と小さめ・・・?見つけた時は、おっ!これなのか!という感想をいだきました。
こちらが月井精密さんでーす!工場は意外と小さめ・・・?見つけた時は、おっ!これなのか!という感想をいだきました。
今回、私たちは八王子市にある月井精密株式会社さんの代表取締役の名取磨一さんにお話を聞かせていただきました!

What's 月井精密?

月井精密株式会社ってどんな会社?

月井精密株式会社さんは社員数16名(2013年2月現在)で、「若い人が世界中で出来ない事をやろう」というモットーを掲げております!
金属や樹脂などを精密に加工する事を得意とした会社です。
名取さん曰く、形あるもので作れないものはないそうです。カッコ良すぎる・・・。

町工場と聞いて想像しがちな、大手企業の製品の部品を大量生産するのではなく、研究所や大学から研究開発中の試作品の依頼を受け、その要望通りに設計、加工、組み立てまで行っています。

次世代バッテリーの開発や最先端医療器具の開発、宇宙関連の開発に携わっていて、あのNASAからも月井さんのパンフレットが欲しい!との要請があったそうで・・・。
現在、「惑星探査機はやぶさ」「H2Aロケット」の部品の製作に取り掛かっているそうです。

驚きの連続です・・・。

月井精密さんが携わっている案件の多くは開発中の極秘案件のため、写真での記載はNGとのことでした。
写真の中にはカーレース用部品、内視鏡ヘッド、宇宙関連部品、某大手ハンバーガーショップで使用されているコーヒーのミル刃、ゴルフの削り出しパターなどがあります。
形あるもので作れないものはないということを早速実感しました!

月井精密さんの技術!!

この機械はドイツで名取さんが買ってきたものらしく、値段はなんと・・・家1軒は買えるほどだそうですっ!数値を入力すればその通りに削ってくれる素晴らしい機械ですが、ヨーロッパのプログラミング言語を使用するため、最初はとても苦労したそうです。
自動で機械が加工を行ってくれるとはいえ、その機械に数値を入力するのは人間です。自分で金属を削る感覚を全て数値化し、入力しなくてはならないのです。
この数値化することにはかなりの苦労があったとか・・・。
そこに1000種類以上ある刃物から、加工する金属の材質にあったものを選び出し、加工を開始します。
全自動でやってくれるスグレモノ!
現会長さんです!職人らしさが伝わりますね☆<br>余談ですがこの金属を手で機械を削る機械はとても音が大きくて耳が痛かったのを覚えています(笑)
現会長さんです!職人らしさが伝わりますね☆
余談ですがこの金属を手で機械を削る機械はとても音が大きくて耳が痛かったのを覚えています(笑)
こちらの写真は先ほどの自動の機械ではなく、回転しているところに削るものを押し付け、力のかけ具合で削れ具合が変わる昔からのものです。

今でも月井会長と名取社長は、左の写真のように手での作業のほうが慣れていてやりやすいそうです。
なぜなら、自分の感覚として、削るスピード、音、力の入れ具合などを覚えているためです。一度感覚として覚えたことは忘れないそうです。納得でした!これぞまさに生粋の職人!
この写真は金属を削っただけで金属が鏡になったものです。<br>金属をある削り方をするとこのように鏡になるそうです。もちろん技術は企業秘密!埃が入ったり削りかすを処理することで少しでも傷がついてしまったりと聞いているだけでとても難しいことが伺えました。<br>とても美しいです。もちろんこの技術は月井さんだけ!
この写真は金属を削っただけで金属が鏡になったものです。
金属をある削り方をするとこのように鏡になるそうです。もちろん技術は企業秘密!埃が入ったり削りかすを処理することで少しでも傷がついてしまったりと聞いているだけでとても難しいことが伺えました。
とても美しいです。もちろんこの技術は月井さんだけ!

名取さんと月井精密

代表取締役の名取磨一さんってどんな人?

今回お話を伺った名取磨一さんは自分たちでは想像もできないような人生を歩んでいました・・・。
18歳で高校を卒業した後、祖父が経営していた月井精密に入社。2年間の職人修業を経て、20歳の時に社長に就任し事業継承を受ける。当時電子顕微鏡の精密切削部品の製造に携わっていた会社の技術を、他の分野でも応用できないかを模索し、航空宇宙分野、先端医療機器、カーレース用部品などの製造にたどり着きました。それが金属を精密に削ることを得意とした現在の月井精密です!

そして、社内の設備的にも最先端工場を目指した名取さんは設備投資のため、銀行に融資を求める。
そのときに社員は名取さん1人だったため、全ての業務を1人でこなしていた時期があったそうです。そのため、今でも書類などを書くのは得意で、月井精密さんの社員さんには技術だけでなく、全ての業務をこなせるように育てているようです。

なぜなら、名取さんは今いる社員さんたちがそれぞれ独立して社長になり、提携を組んで一緒に仕事をしたいと考えているからだそうです。そして、将来的にはタイに進出することがほぼ決まっているそうです。今は円高であったり、消費税のこと、人件費のことなどを話していただき、先のことをどんどんと見据えているように感じました。
日本には高い技術があるのに、その技術を日本国内で留めて腐らせてしまうのはもったいないのです。
なるほど・・・。聞いたこと全てが刺激的でした。
経営者であり職人でもある。完璧です。

ズバリここがスゴイ!

金属をとにかく薄く、薄く、軽く精密に削ることができると名取さんはおっしゃっていました。実際に、はやぶさのパーツを触らせていただいきましたがとても軽く薄かったです。

名取さんはこうおっしゃっていました。
「形をある程度機械に入力すればある程度のものは作ることができる。つまりそれは誰にでもできることであり値段も安くなる。だから、どこにでもできる仕事はせず、価格競争をしない!」とのことです。こういった思い切った考えからも高い技術力が生まれているのではないかと思います。

また、一つの金属に対して、削る刃の大きさや種類、回転数、回転速度など、こういった細かい部分をいかに厳密につきつめるかが重要だとおっしゃっていました。
この金属はこういう特徴があるから、こういう刃でないとだめだ!という昔ながらの職人の感覚を生かし、最新鋭の機械で一気に削ります!

そして名取さんを始めとした20代を中心とした若いメンバーで構成されている月井精密さん。とても珍しいです。
その理由も、若い人ならではの高い適応能力やパソコンのスキルが、最新鋭の技術を持った機械に適している、ということだそうです。若いメンバーが中心ということも月井さんの特徴でもあります。

全日本製造業コマ大戦!

月井精密さんは、先日八王子で行なわれた全国製造業コマ大戦に出場されたそうです。
コマ大戦とは、直径20mm以下のコマを戦わせる喧嘩ゴマの大会で、日本中の製造業が、本気で設計し、プロの機械を使用して、自社の持てる技術を全て注ぎ込み作成します。

コマ大戦に参加した要因として、自社PRや横との繋がりを求めてということが大きかったみたいですが、参加してみると、どうやったら最強のコマができるのかを追及することが楽しくなってコマ作りにはまったそうです!しかしコマを作ることに熱中しすぎて、本番では投げる時のミスであっさり負けてしまったそうです(笑)

「削る」ということならどこにも負けない月井精密さん!
これからのご活躍期待しております!!
<月井精密株式会社>

代表取締役 名取 磨一さん(なとり きよかず)

住所:八王子市大塚637

TEL:042-677-8461

<関連リンク>
月井精密株式会社 ホームページ
全日本製造業コマ大戦公式サイト

編集後記

普通、工場と聞けば大量生産をイメージすると思いますが月井精密さんは違いました。
顧客の求める形に、どんな物にも対応し加工する、そういう日本ならではの技術を活かした仕事というのにとても惹かれました。
また、名取さんもとても良い人で、楽しそうな会社でした!(吉川)

今回取材をしてみて、世界に通用する技術を持っていることによって認められ、それによって成り立つ製造業の凄みを知りました。
こういった技術は僕たち日本人の誇りであると思います。名取さんはとても輝いているように見えました!
快く取材を引き受けていただき、ありがとうございました。(赤羽)

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