-
まいぷれ編集部 さん
まいぷれ編集部 さん
2009/11/24 11:59:49
全てに公開
コメント数(0)
「・・・ここは彼にとってはとりわけなつかしい場所だった。大学へ通っていた時分、たいていはその帰り道に、彼は何度となくいま立っている、この場所に立ちどまり、真に壮麗なこの眺望に食いいるように見入っては、そのたび何かすっきりと割りきれぬ自分の印象に、驚きに似た気持を味わったものだった。この壮麗な眺望がいつも、なぜとも知れぬうそ寒さを彼に吹きつける・・・」-『罪と罰』の主人公ラスコーリニコフが犯行後の翌日、しだいにつのり来る周囲との断絶感に当惑しながら、ふと立ちどまった橋の上で目にしたなつかしい光景。彼の目に映っているその眺望とはいったいどのようなものだったのでしょう。
帝政ロシアの首都だった聖(サンクト)ペテルブルグは、プーシキンの『青銅の騎士』やゴーゴリの『外套』など、日本の読者にも馴染み深い19世紀ロシア文学の名作の物語の舞台にもなっています。本講座は、いまだ往時の面影があちこちに残る古都ペテルブルグの街並みの映像や地図を眺めながら、とくにドストエフスキイの『罪と罰』を中心にロシア文学の傑作の名場面の数々を鑑賞する、ペテルブルグ文学散歩です。
講師:佐々木 精治 創価大学 文学部 教授
・・・受講生へのメッセージ
『罪と罰』は、近年新しく、読みやすい訳が出ています。一度目を通された上で、お出でいただければとは思いますが、忙しくてお読みになれなかった方、またふだんあまり文学は読んだことがないというかたもふくめて、どなたでも楽しめるような1時間半にするよう努めたいと思います。
佐々木 精治(ささき せいじ)
東京大学文学部卒業。早稲田大学文学研究科博士課程修了。日本ロシア文学会理事。
研究テーマ:18世紀ロシア文学における文学理論の形成。
著書:「ことたびロシア語(CD付)」白水社、「ロシア文化の森へ-比較文化の総合研究」(共著)ナダ出版センターほか
[開催日]
2009/12/26
[場所]
八王子東急スクエアビル 学園都市センター イベントホール
[時間]
13:30~15:00
[入場方法]
無料 全席自由 先着順 定員/216名
[提供]
創価大学
[問い合わせ]
(財)八王子市学園都市文化ふれあい財団 042-646-5621
イベント情報掲載中!