八王子居酒屋ひとり酒
行列覚悟で挑む鰻屋の実力
JR八高線小宮駅から歩くこと約3分、多摩大橋通り沿いにある連日行列の鰻屋(うなぎ高瀬)に行列がない。
平日午後2時。
この(うなぎ高瀬)に入る時が来た。
「いらっしゃい。品切れで鰻重は竹しかできませんが」
「それと燗酒ね」
「かしこまりました」
何でもごちそうしてやる、と言われたら鰻。
鰻重、それも一番高い特上「松」。
重箱の蓋をあけると、ご飯を覆う蒲焼からふわりと上がるいい匂い。
ああたまらん。
しかし今や鰻は稚魚の不足で大高騰。
鰻の生態系はまだ未知要素が多く、不足解決の見通しもたたないようだ。
鰻のない人生は淋しい。
昭和天皇は鰻と相撲が大好きときいて親しみがわいた。
世界でも、一種類の魚だけで商売する店が普通にあるのは鰻だけという。
おいらも旅先の昼飯は老舗鰻屋といつしか決まってきた。
すこし前、旅先で風邪をひき、風邪治しは鰻に限る【ほんとうです】と老舗に入り「竹3500円」を注文して待つことしばし。
届いた重箱の蓋をあけると、ああ、悲しいかな。
まさに大海に浮かぶ小島。
ご飯の大半がまる見えだ。
蒲焼をちびちび食べるか、いやいつものようにわしわし食べるか。
後者に決めたあとは、重箱三分の二ほどご飯が残り、添えられた奈良漬を大切にかじって食べ終えた。
情けなや。
ケチをせず「松」にすればよかった。
おいらは小心者だ。
(うなぎ高瀬)の鰻重を女優と作家に例えると……。
「てやんでい、そんな御時世こそ鰻、食ってやろうじゃねえか!」「あたぼうよ、こちとら江戸っ子でぃ」と見栄を張り燗酒をクイー……。
おいらは蒲焼そのままよりも、ご飯に載せた「鰻重」派。
タレのしみたご飯と蒲焼を一緒に食べてこその鰻だ。
届いた重箱におさまった姿はまことに上品で、あまり焦がさない素肌が美しく、ぼってりと艶をおびて湯気が立ち上がり、甘めのタレがバランスをたもつ。
女優に例えれば有村架純、文学者なら井伏鱒二でキマリ。
↑この日の鰻は静岡県・己巳の鰻
↑お吸い物に自家製の漬物がおいしい
↑鰻には燗酒「福生の地酒・多満自慢」が最適
↑連日行列の人気店。狙い目は平日の一時半過ぎ
店名 | うなぎ高瀬 |
住所 | 東京都八王子市小宮町1112-4 |
営業時間 | 11:00~14:30・17:00~20:30 |
定休日 | 水・木曜 |
連絡先 | 042-646-7762 |
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◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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