今回私たちは、八王子駅から徒歩10分のところにある、銭湯『福の湯』さんに行ってきました！

大正時代の初めに創業したお風呂屋さんです。現在、3代目の福田 喜久夫（ふくだ きくお）さんが店主を務めています。

健康増進施設としての銭湯
　高齢化が進む今、高齢者の方に健康増進のために銭湯を利用していただきたい！
家にこもらずに歩いて銭湯に行く、そして同世代の人たちと仲良くおしゃべりをしてコミュニケーションをとることは、健康増進にとても大切なことです。
　昔は単に体をきれいにして帰るだけの場所であったが、これからはスーパー銭湯などのようにリラックスするため、同世代の人とおしゃべりをして楽しむ場所になってほしい。

ヒートショックの防止
　ヒートショックとは、急激な温度（体温）の変化が体に影響を及ぼすことです。寒いところから急に熱いところへ行く、もしくは熱いところから急に寒いところへ行くことで血圧が急激に上昇・下降することです。これは冬場に多く、死亡者数は年間の交通事故で亡くなる人の数より多いのです！ヒートショックは心筋梗塞や脳血管障害などの病気を引き起こすこともあります。自宅で高齢者が一人で入浴し、誰にも気づかれないままヒートショックで亡くなられていた、といった事例もあります。このようなことを防止するために銭湯を利用し、一人で入浴しないことで周りの人が変化に気付き、素早い対応をとることができ、ヒートショックを防止できます。

親子揃っての浴育の場
　今の子どもたちは共同入浴施設を利用することが減り、公共浴場に入る際のマナーをよく分かっていない子が多くいます。そのため、銭湯で他の人と入浴することで、例えば、お風呂を出る前には脱衣所の床を濡らさないように、ある程度タオルで体をふく、といったような入浴マナーを学ぶこともできます。
　このように銭湯という公共施設の利用を通して他の人への気遣いや思いやりを学ぶことができるので、ぜひ親子連れで銭湯を利用してください。

　最近は探さないと見つけることが難しくなってきた銭湯は、人と人との繋がりが減ってきた今だからこそ、様々な人と交流する一つの手段として改めて求められる場所であるべきではないでしょうか。知り合い同士だけでなく自分と違う世代の人と会話を交わすことで、新しい発見をしたり、いい刺激になることもあるはずです。
　また、多くの人が集まり、お互いに関心を寄せることで防ぐことができる病気があるということは、とても大事なことです。取材をさせていただいたメンバーはヒートショックのことを知りませんでした。銭湯に行くということは、自分に起こる異変などに対処できるというだけでなく、「そういったことがある」と知ることができるということでもあります。
　そんな中で個人がやりたいように振舞っていては交流する以前の問題です。場所によってルールがあるのは銭湯も社会も変わりはありません。それは小さな子どもでも大人でも守らなければならないものです。相手を思いやることを教えるだけでなく、どう思いやるべきなのかを学ぶべき場として、子どもや若者、年齢を問わず多くの人が利用する場であるべきではないでしょうか。