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子どもと家族と私とわたし

Vol.58_<特別コラム>子どもをただ「みる」ということ

 ~ あなたは子どもを見られていますか ~

みなさん、こんにちは。

21世紀型子育てProject主宰、ふぁみりあすのあゆみんです。

 

最近、保育園から高校までさまざまな教育現場におじゃまさせていただいています。そこで感じるのは、教育が大きく変わっているということと、子どもの土台をつくる幼児期がますます大切になっているということの2つ。

 

明治時代から150年ほとんど変わらずに続いてきた日本の教育が、いよいよ変化し始めたのです。

考えてみたら、むしろ遅すぎるくらいですよね。武士の世から変わったばかりのころに始まった日本の学校制度が、21世紀になった現代でも変わらず受け継がれているなんて。

 

視察した高校は“最先端”の教育を行なっているところがメイン。ところが、そこにつながる幼児期の大切なことだと私が感じたのは、“最先端”とは真逆の、とてもシンプルな、でも今失われかけている子どもの土台作りでした。

タブレットを使いこなしながら、グループワークが当たり前。

課題はその場でネット上にアップ。

自分で考えて、意見を出し合う授業が、あちこちの高校で行なわれていました。

激変する現代社会の中で生き抜く力をもった人になるために、どんな幼児期を送ったらいいのか、親はどう関わったらいいのか。

今日はそのあたりを紐解いていきたいと思います。

 

 

★今日のポイント ★

 

1) 子どもを“みる”ということ

2) 当たり前の前提に疑問を抱く

 

 

1) 子どもを“みる”ということ

 

子どもが何歳であっても、子育てをしていれば子どもをよく見るのはとても大切なこと。

でも、「見る」ってけっこう難しいんですよね。

 

目の前の子どもの姿を、ジャッジせずに、ただありのまま受けとめる。

 

それが「見る」ということなのだと思います。

 

逆上がりができたから、すごい!

いつまでも泣いていて、弱虫!

 

こんな風に、プラスやマイナスの判断をすることは「見る」ではないんですね。ただ見るというのは、

 

逆上がりができた。

10分、泣いている。

 

ただそれだけ。

ジャッジや感情を抜きにして子どもをみると、子どもの奥にある気持ちや考えを垣間見られることが多いように思うんです。


できた時、子どもはどんな表情をしているか。

先入観なしに見ると、よろこびだけじゃない

気持ちに気がつけるかも。

私たちは、逆上がりができた場面に立ち会えば、たいていの場合、「できて良かったね!」って思います。それは、できるようになることが良いことだっていう無意識の前提があるから。

 

でも、もしかしたら子どもは「良かった」と思っていないかもしれない。うれしくないかもしれない。

 

無意識の前提があると、子どもの本心までたどり着けないんですね。

 

自分の常識、思い込みをいったん脇に置く。

 

「見る」というより「観る」「視る」という意識が近いのでしょう。

子どもを丁寧に見ていると、私たちとはまるで違った次元で物事をとらえていることに気づきます。

 

逆上がりの話には、こんなエピソードがあったんです。

 

何日も逆上がりの練習をしていたAちゃん。クラスの子たちは次々とできるようになって、とうとう逆上がりができないのはクラスで2人だけになりました。

 

あるお休みの日、家族で練習をしていたら、クルリン!

 

とうとう、Aちゃんは逆上がりに成功したんです。パパもママも「やったな!」「できたじゃない!」と大喜び。ところがAちゃんは浮かない表情。「なんだ、もっと喜べよ」「せっかくできるようになったのに」とパパたちは練習に付き合ったこともあって不満げです。

 

実はAちゃんは、もう一人のお友だちと「できるようになる時は一緒に」ってお約束していたんです。だから、本当は練習もお友だちと一緒にやりたかったんですね。でも、練習熱心なパパとママの気持ちにも応えたくて公園に行っていたんです。

自分ができるようになったことより、お友だちとの約束が大事だったAちゃん。

もう分かりましたよね、Aちゃんが浮かない顔をしていた理由。

でも、「練習してできるようになったらうれしい」っていう前提で子どもをみていた親御さんには、子どもの奥の気持ちまで見ることができなかったんです。

 

見るって難しい!!

 

本当にそう思います。

でも、だからこそ、「目の前のことを、ただ見る」って意識することが大事なんです。

そうしないと、忘れてしまうから。ついうっかり、自分の価値観や常識に当てはめて物事を見てしまうから。

 

 

兄弟げんかなんて、反省の連続です(汗)! 

「あなたがいけないでしょ!」って、自分が見ていた範囲でつい決めつけてしまう。

 

難しいけど、一緒に「みる」練習、しませんか?

 

子どもをありのまま受けとめる。

幼児期にしっかり受け止めてもらった経験のある子どもたちは、少々の失敗にへこたれません。自分の考えを人に伝えることを恐れません。自分の足で、自分の道を歩んでいく力を伸ばしていけます。

 

 

2) 当たり前の前提に疑問を抱く

 

とはいえ、ただ見るってやっぱり難しいんです。

 

だから、まず最初は自分の中の「常識」「当たり前」探しをしてみましょう。

 

逆上がりの話では、「できるようになったらうれしい」という「当たり前」がありました。

「そんなの当たり前じゃん」って言いたくなります。それこそが、「常識」「当たり前」「思い込み」なんです。

だから、一人で見つけるのって難しいんです、細胞の奥までその考え方がしみついちゃってますから。

 

ここで一つ、おすすめのワークを紹介しますね。

 

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「思い込みチェッカー」

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パートナーやお友だちと一緒に行ないます。3人以上いると、結果がばらばらになっておもしろいですよ。

 

<ルール>

① お題に対する考えや思いを書き出す。

② おたがいにシェアする。

③ 結果に対して「本当にそう?」って対話をする。

 

 

お題は、子育てや家事に関することだといいですね。

 

例) 子どもが人に会ったら、ちゃんと挨拶できるのは良いことだ

    食事は残さず全部食べる。

    人が話しているときは静かに聞く。

 

例に挙げたのは、できて「当たり前」だと思うことばかりです。でも、本当に「当たり前」で「良いこと」なのでしょうか。

それは、私たち大人が思う「良さ」であり、「当たり前」ではありませんか?

思い込みのメガネを外してみる。

子どもをただ見ることが、子どもの主体性を伸ばしていきます。

この尺度で、子どもを見ていると、子どもの本当の気持ち、考えを見すごしてしまいます。

 

これまでのコラムでも書いてきたように、21世紀は社会が大きく変わりました。日本では常識だったことも、世界レベルで見たら非常識なこともたくさんあります。

 

私たちは、今までの当たり前を少し疑ってみてもいいかもしれないですよね。

 

そして、子どもの行動や言葉に対して、1つ1つ丁寧に向き合い、その前提に疑問を投げかける。

そんな視点で、子どもを見る練習をしてみると、子どもの心の奥に近づけるかもしれませんよ。

◆この記事を書いたひと


生田あゆみ

元私立高校教員

教育コーディネ-ター

21世紀型子育てプロポーザー

 

 

ちゃんとしなきゃで子育てをしていたら酸欠になりました。

そういえばこの感覚、教員時代にも感じていたぞ?

おかしいな、なんでうまくいかないのかな?

そんな思いから学びを深めていくと、教育も子育ても古い価値観にとらわれて自分の感覚を置き去りにしていることが分かりました。そして、私と同じように自分を失くして子育てしている人たちがたくさんいることも知りました。

現在は、「わたし」を軸にした21世紀型子育てマインドの育み方をお伝えするふぁみりあすと、「教育を選ぶ」をサポートし、学校選びの選択肢を増やすポータルサイト「教育移住.com」を主宰しています。

 

【関連リンク】

ふぁみりあす

教育移住.com

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