八王子居酒屋ひとり酒
きらく横丁のうまいもん
JR中央線八王子駅から歩くこと5~6分、きらく横丁に小料理屋(旬魚菜 仲いずみ)がある。
カウンター8席と小上がりの小さな店にいの一番着。
すぐに男一人が隣に着席し、他も埋まってゆく。
そうなれば注文は急いだ方がよいけれど【私はせっかち】、今日は時間があるので、じっくり品書きを検分した。
この日品書きに並んだのは約30種。
丁寧に産地まで記した刺身などの定番から、焼き物、揚げ物などの魚料理が中心。
まずは「釣あじ刺」。
きれいに脂ののったアジをす早く皮を剥き、斜め格子に浅く包丁され、魚仕事ならまかせろの自信そのもの。
その透明な甘味はうまいのなんの、途中で箸を置けないほどうまい。
そして酒は富乃宝山のオンザロック。
ツー……。
淡麗で香り高く奥行きがあり絹の舌ざわりをもつ。
さて次。
焼き物は千葉県産かますの塩焼、鰆の味噌漬「大阪湾」。
産地からしてどちらも上物だろう。
対馬産穴子の天ぷら、北海道産生たこ天ぷらもうまそうだ。
しかし次はもう決まっている。
かにみそ【身入り】。
カニ身とみそを練った「かにみそ」はこれほど酒をうまくするものはない。
これはいい店を見つけた。
気の合う仲間と大勢で賑やかに飲むだけが居酒屋ではない。
それは学生の飲み方だ。
会社の同僚と仕事論で飲む、上司とかしこまって飲むのは社会人としてあるべき姿だが、そればかりが居酒屋ではない。
男はひとりで飲む居酒屋を持て。
周りに知り合いがいないと不安だ、ひとりで行動できない、それはまだ子供だ。
「はじめてのおつかい」ではないが、社会に出れば「おまえひとりで解決してこい」と言われる時が必ずくる。
その「ひとり経験」に居酒屋は適当だ。
いくつか居酒屋を試し、自分に合う店を見つけて常連になる。
そこへはひとりで入る。
店との相性は、場所、酒肴、主人の人柄、客層などいろいろだ。
スナックのママさんに惚れ込んで通うのもそれはそれでよいけれど、ひとりで黙って飲んでいられる、小さな居酒屋をすすめたい。
そういう、ある種の自分だけの安住の場所として(旬魚菜 仲いずみ)をすすめる。
↑この鯵を見よ!絹のような肌触りはやんごとなき御姫様
↑これさえあれば酒がいくらでも飲める。量も多いかにみそ
↑飲んだ後の食事はお茶漬けサラサラが健康に一番
↑きらく横丁に小粋な小料理屋あり!
店名 | 旬魚菜 仲いずみ |
住所 | 東京都八王子市三崎町9-5 |
営業時間 | 17:30~23:00 |
定休日 | 日・月曜 |
連絡先 | 042-628-3992 |
関連リンク | なし |
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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