八王子居酒屋ひとり酒
主人の腕にかかれば料理は美しい一皿に
JR八王子駅から歩くこと約5分、パーク壱番街通り沿いの雑居ビル地下に海鮮居酒屋(笑丸)がある。
ま、最初は刺身だな。
南鮪、黒むつ、真鯛、〆鯖、鯵酢、石垣貝……お、小肌がある。
「すみませーん、盛り合わせに小肌入れて。酒は雨後の月の冷酒ね」
クイー……。
広島の酒「雨後の月」は芳醇で香り高く、のど越しがよいのが特徴。
蔵元は、すべての酒を大吟醸と同じ方法で醸し、純米吟醸もその造りの丁寧さを反映し、爽やかでキレのよい芳醇な味わいに仕上がっている。
熟した果実のような口当たりは、とろりとしてやわらかい。
海の幸の風味を高めるキレのある芳醇な味わいだ。
刺身の次は焼物、焦げ風味だ。
しらすのカナッペといこう。
家でも食べられる安い食材だが、それをうまく酒の肴に仕立てあげるのが居酒屋料理の魅力だ。
その「居酒屋だけにある専用料理」の幅の広さはたぶん世界一だろう。
「これ今日入りました」
行きつけの私には、まず入荷の酒を教えてくれ、それを飲む。
肴は春だからハマグリだな。
タケノコもそろそろだろう。
店には酒好き、料理好きが集まってにぎやかにやっている。
居酒屋は実力勝負だ。
八王子の居酒屋は10年ほど前に大きな変化が生まれた。
それまでもつ焼や塩辛ひとつでぐいぐい酒を飲むのが居酒屋だったが、地酒ブーム黄金期で飛躍的に質の上がった日本酒には、従来の居酒屋の肴では淋しすぎると気づいた店は料理に力を入れた。
良い酒を洗練された料理とともに楽しむ店は評判を呼び、居酒屋はオヤジのたまり場として嫌悪していた女性が、このレストラン型の居酒屋に続々とやって来た。
以前紹介した八王子の(せきど)(陽の介)そして(笑丸)である。
↑盛り付けもさることながら素材が良い
↑フランスパンもひと手間加えれば酒の肴に
↑素材が良いから寿司もうまい。ここのでは握り寿司で仕上げる
↑目立たぬ雑居ビル地下にうまいもんが揃う
店名 | 笑丸 |
住所 | 東京都八王子市中町3-12 三田ビルB1F |
営業時間 | 17:00~翌0:00 |
定休日 | 水曜 |
連絡先 | 042-644-3474 |
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◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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