八王子居酒屋ひとり酒
洗練された酒肴が味わえる
JR八王子駅北口から歩くこと約4分、みさき通り沿いに割烹居酒屋(秀栄)がある。
「いらっしゃい」
女将さんがにこやかに迎えてくれた。
「今日は煮穴子がおすすめです」
カウンターに立つ料理人が声をかけた。
煮穴子は寿司屋の上ネタになる役者。
淡い沢煮を長時間浸すように煮て、さましておき、出す時に軽く炙るという手のかかる調理法だ。
黒い皿に「さあ食べてネ」と、全てを脱ぎ捨て身を開いて横たわる温かな柔肌裸身の色気。
ついムラムラと【以下カット】。
焦げ茶色にぬらぬら光る因業な鰻蒲焼あたりとは「品」が違いまさぁ。
決して焦がさず、ほんのり狐色が浮く程度のしっとり焼加減が勝負。
脂の抜けた透明な甘みに香りが立ち、ソフトなお菓子のように軽いが、やがてどっしりと穴子のコクが姿を現すまさに千両役者。
連れた穴子好きの女性はほんとに泣きました。
これを女泣かせと言う【言わない】。
自分の住む町の近くに、行きつけの居酒屋を持つ。
お勤め帰りもここまで来れば家は近いという安心感でちょこっと入り、料理人や女将さんとなんとなく世間話。
女将さんは優しく控えめなので女同士の話もできる。
「ただいまー」という感じの居酒屋は良いものだ。
まさにもう一つの家庭。
当店名物「ミニ鉄火丼」まで食べればもう夕飯はいらない。
あとはお風呂入って、テレビ見て、寝酒。
ああ、この調子では結婚できない。
そんなことないですよ。
どこに出会いがあるかわからない。
ぶらりとやってきた若めながら落ち着いたカップルは、男は眼鏡に黒とっくりセーター、女性は辛子色のニット。
手ぶらは近所に住んでいる人だろう。
あまり会話をしないので夫婦とわかる。
注文もそれぞれ別。
燗酒を含み料理をつつく。
まぐろ刺身は二人で一つ。
「おいしいわね」
「うん」
「ここ久しぶりだね」
「はじめてはいつだっけ」
あれ、ここで出会ったのかな。
少なくともデートはしたんだ。
へぇ、そうかあ……。
↑料理人一押しの煮穴子1100円はふんわりお菓子のよう
↑酒飲みの定番刺し盛り。この日はマグロ、ヒラメ、ヤリイカなどが登場
↑粋なお通し。料理に期待がわく
↑幹事必見!個室があるので宴会利用ができる
店名 | 秀栄 |
住所 | 東京都八王子市三崎町2-7 ヨーロービル 1F |
営業時間 | 17:00~翌0:00 |
定休日 | 日曜・祝 |
連絡先 | 042-624-5929 |
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◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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