八王子居酒屋ひとり酒
地元客で賑わう人情居酒屋
JR八王子駅南口から歩くこと約4分、とちの木通り沿いに居酒屋(松島)がある。
「いらっしゃい」
女将さんが笑顔で迎えてくれた。
まずは酒。
宮城県の地酒「浦霞」にした。
クイー……。
香り高く淡麗ながら、奥深い味わいを併せ持つ繊細な味が身上。
申し分のない旨さで、春のようなほのぼのとした酔い心地を十二分に堪能できる。
本日のおすすめに「本まぐろの昆布〆」をみつけ注文した。
日本酒には刺身はベストの組み合わせ。
刺身も一手間かけるとまた旨くなる。
例えば醤油の「づけ」や、薬味をきかせた「たたき」「なめろう」など。
最近はオリーブオイルのカルパッチョも人気だ。
なかでも板昆布ではさんでしばらく置き、昆布の旨みをうつらせた「昆布〆」はその最たるものだろう。
〆具合は好み。
私はせっかくそうするのだから、一、二日置いてしっかり昆布の味がしみたものが好みだ。
ここのはしっかり昆布の味がしみて醤油がいらない。
これはいい。
昆布〆はそれ自体では味の淡白なものに効果が発揮されやすいが、本まぐろの香りと、昆布〆にしてさらに魚の本領が強調されるように感じる。
仕上げに自家製梅干しのおにぎりで腹を満たして店を出た。
昆布〆の本場は富山だ。
北海道の昆布を運ぶ北前船の有力な寄港地だった富山は、富山湾の豊かな魚とあいまって昆布〆王国となった。
東京にはなかなか昆布〆を出す居酒屋がないと思っていたが、八王子の「松島」でうまい昆布〆を見つけた。
但し日替わりメニューなので毎日あるとは限らない。
女将さん、昆布〆を名物メニューにしてください。
昆布はやはり偉い。
私はご飯を炊く時に放り込んでおく。
そろそろおいしくなってきたカブの浅漬けは、細切り昆布を入れて粘りを出す。
小松菜の塩もみは、塩・一味唐辛子・昆布茶でもむ。
最近料理屋で、よく鯛の刺身に塩昆布をのせて出すのは、刺身は醤油ばかりではなく、塩もおいしいアピールにもなっているようだ。
白ご飯に塩昆布をのせてお茶をかければもうご馳走だ。
買ってきた刺身を、昆布〆でひと仕事して「明日」の晩酌の肴にいかがですか?
↑富山では白身以外「カジキ等」も昆布〆にするが本マグロは初めて食べた
↑手作りのお通し。やっぱり手作りは健康にもいい
↑自家製梅のおにぎり。添えられた漬物も自家製
↑暗い通りにここだけ賑やかな地元居酒屋
店名 | 松島 |
住所 | 京都八王子市子安町4-26-6 |
営業時間 | 17:00~翌0:00 |
定休日 | 木曜 |
連絡先 | 042-645-6547 |
関連リンク | なし |
◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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