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八王子居酒屋ひとり酒

旅気分を満喫 池波和彦のまいぷれ八王子・精選居酒屋番外編

八王子市民の気楽な旅酒。おすすめルート①

中央線は吉祥寺から風景は田園に変わり、群生する露草、黄色の連翹が滝のようにしなだれる。
高尾を過ぎるともう深い山間だ。

JR中央線大月駅で降りた。
駅前の広場には人影はなく数軒の商店だけがある。
雨が上がったばかりのようで空気の中にかすかに森林の匂いがただよい、別の町にやってきたという感慨が湧いてきた。
駅前のタクシー運転手に訪ねた。
「大月には、いい居酒屋はないですか?」
「居酒屋、ねぇ……寿司屋ならそこに一軒あるけど」
指す先は駅前の寿司屋で(森屋鮨)と看板が出ている。
その店ならもう気づいていた。
この町の居酒屋探しは難航しそうだな。

JR中央線大月駅から徒歩約4分、駅前通りから路地を入るとその先に、中華料理がうまい店と評判の中華料理屋(宝来軒)がひっそりと暖簾を掲げている。
店は高齢の夫婦で営む。
テーブル席に腰をおろし、焼酎のウーロン割りにした。
品書きには「かた焼きそば」「チャンポン」「カレーラーメン」「味噌ラーメン」「ワンタンメン」などの麺類のほか、「餃子」「ウマニ」「もつ煮」「生姜焼き」「鳥唐揚げ」などの一品料理も揃う。
さて注文。
「餃子とウマニね」
「はい。餃子は少し時間かかります」
届いたウマニはキャベツ・もやし・ニンジン・キクラゲ・豚肉を濃いあんかけで仕上げて紅しょうがを添えてある。
一口頬張るとほどよい酸味と素材の旨みが広がり、うまいのなんの。
これは常連になるわけだ。
しばらくして届いた餃子を醤油に酢を合わせた特製ダレにラー油をたらして頬張れば、カリッとした食感と、豚肉や野菜の旨みが詰まったジューシーな餡のバランスが素晴らしい。

それからしばらく大月の小さな商店街を歩いたが、これという居酒屋はなく、そうなればあそこだなと、東京行きの快速電車に乗った。

目指すは上野原。

上野原といえばその名も高き大衆酒場(魚道)だ。

そこは、山梨県の居酒屋で、一、二を争う鮮魚を出す店だ。

魚の仕入先は東京の豊洲市場。

JR中央本線上野原駅から歩くこと約20分、駅通り牛倉神社前の五差路を入った路地裏に(魚道)がある。
山国山梨県で鮮魚が味わえる居酒屋がここだ。
というのも隣の鮮魚店の経営だから。
魚は週二回、東京の豊洲市場から仕入れる。
鮮魚店ゆえ時季の魚はほとんどすべてある。
夏のアユが大好物だ。
とりわけ真夏の、清楚な身と、若苦いシャープな肝の対比あざやかな、和歌山の鮎。
そして冷酒をツイー。
身、ワタの風味香り苦味、いずれもバランスよい新鮮な鮎。
これも好物のホッキ貝は大きな殻に、いま剥いた身を盛りつける。
みずみずしいホッキ貝のぬらぬらした身、貝柱をたっぷりの山葵でいただく官能的な恍惚感。
この山葵がまたツンツンに切れる。
この日は珍しいシマエビ、キハタ、クロメバル、カゴカキダイ、ウッカリカサゴ、アマダイが品書きにある。
どちらもこりっとして味はあっさり。
ここは魚好きが喜ぶ至福の居酒屋だ。

店を出て歩いた。

上野原にはいわゆる繁華街はなく、どの通りもひと気がない。
ちゃこ、ホタル、KARAOKEYA、あうん、パブスナックデコボコ、笑顔、カラオケ喫茶ステージ……灯りが見えるのはスナックばかりでその中に客がいる気配は少ない。
しばらく忘れていた小さな地方都市の夜の町の空気が実感されてくる。
さらに歩くと一軒だけ大きなガラス戸から外に明かりがもれる店がある。
寿司屋(とも江寿司)。
高齢の大将がつけ台に立つ。
テーブル席に腰をおろし、瓶ビールを一気にグラス一杯空にしてひと心地ついた。
店内は寿司屋の年期が入りいい味である。
上寿司を注文した。
届いた上寿司はマグロ中トロ、マグロ赤身、カンパチ、カツオタタキ、ズワイガニ、イカ、エビ、イクラ、玉子が登場。
大きめのシャリが家庭的だ。
このあたりでは寿司は酒の肴に珍重するようなものではなく日常の食事なのだろう。

店を出て東京行きの電車に乗ったのでした。

 

★メニュー★

(宝来軒)

餃子550円
野菜炒め600円
カレーライス700円
塩ラーメン800円
焼酎「ウーロン割り」550円
ビール800円
「営業時間11:00~21:00/第2日休」

 

(魚道)

値段表示は外税。

小いわし唐揚げ330円
和歌山産あゆ塩焼500円
くじら刺身680円
まぐろ丼「中トロ入り」930円
角ハイボール360円
生ビール「中」540円
「営業時間17:00~22:00/日休」

 

(とも江寿司)

値段表示は外税。
飲み物メニューはない。

おしんこ巻1500円
中寿司1800円
上寿司2000円
中ちらし2000円
上ちらし2500円
まぐろ寿司3500円
「営業時間11:00~14:00・16:00~20:00/月休」

↑セコガニは実が詰まって1000円という破格値

↑カワハギ一匹で800円。他所ではお目にかかれない価格

↑和歌山産の鮎は銘品。これで500円

↑宝来軒のうまにはうまいですぞ

店名

魚道

住所

山梨県上野原市上野原668

営業時間

17:00~22:00

定休日

日曜

連絡先

0554-63-0612

関連リンク

なし

 

 

◆この記事を書いたひと

酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦

 

東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規8000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。

ブログ「日本の酒場をゆく」↓

https://ameblo.jp/m458itmasa/

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。

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