八王子居酒屋ひとり酒
優しい店主夫婦のもてなしに心癒される
JR中央線高尾駅から徒歩約15分。
旧甲州街道沿いに(酒処 こじま)がある。
夜になると人通りもない一帯には、飲み屋はおろか飲食店や商店すら見当たらず、忽然と現れる酒場の明かりが異様な雰囲気を漂わせている。
住宅街に店を構える(酒処 こじま)は、近所の常連客によるコミュニティの場といった表現がしっくりくる。
カウンターのガラスケースに本日の魚介が詰まり、大きな鯵が刺身にしてくれと待っている。
私は熱烈な「鯵っ食い」。
刺身も、たたきも、酢〆も、塩焼きも、フライも、天ぷらも、開いて干しても、これほどうまい魚はない。
届いた鯵の刺身は三枚におろし、中骨を帆掛けに、皮を剥いだ紅白肌の厚い切身は、斜め格子に浅く包丁され、料理仕事ならまかせろの自信そのもの。
その透明な甘味は生臭さゼロ。
次の小鮎の天ぷらは主人が釣り上げたものだ。
鮎の食べ方はいろいろ講釈があるが、天ぷらは頭からそのままガブリ。
頭、皮、身、ワタ、骨のすべてをいちどに口に入れると、鮎の旨味・香り・苦味のすべてが味わえる。
人通りのない旧街道沿いに店を構える居酒屋の安心感。
飲食店や商店すら見当たらない旧街道で長く続く店は、良心的な仕事で正直に、手ごろな価格でおいしいものがあるから続いているんだろうという期待がわく。
つまり信用だ。
あこぎな商売や感じの悪い店は長く続くはずがないという認識でもある。
店は常連客が多いものの、一見客だろうと店主は分け隔てなく対応する。
こぢんまりした店ながら、客は一様にくつろげる。
(酒処 こじま)は、味の良さもさることながら、心の名店として印象深い。
↑北野の市場で仕入れる海産物がメイン
↑主人が渓流で釣り上げてきた小鮎の天ぷら
↑この日のお通しはポテトサラダ。一品得した気分だ
↑旧街道の暗闇に異彩を放つ名居酒屋
店名 | 酒処 こじま |
住所 | 東京都八王子市東浅川町253 |
営業時間 | 17:00~23:00 |
定休日 | 月曜・火曜 |
連絡先 | 042-663-0014 |
関連リンク | なし |

◆この記事を書いたひと
酒場ライター:居酒屋伝道師・池波和彦
東京生まれ東京育ち。酒場巡りを趣味とし、北は北海道の離島から南は沖縄の離島まで新規7000軒以上の店を巡りブログ「日本の酒場をゆく」を執筆。毎夜全国の居酒屋やバーにて神出鬼没の酒戦の日々を過ごす痛飲派。
ブログ「日本の酒場をゆく」↓
※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。
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